4月の担当歯科医師について

2020年4月の担当歯科医師のお知らせです。
変更が生じた際には、再度お知らせさせていただきます。
< 歯科医師の紹介はコチラ >

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院長
長岡
2
 院長 
 伊藤 
3
院長
長岡
(午前)
4
 院長 
 
 5 
 

6
 院長 
 
7
 院長 

8
院長
長岡
9
院長
伊藤
10
院長
長岡
(午前)
11
院長

12


13
院長

14
院長

15
院長
長岡
16
院長
木下
17
院長
長岡
(午前)
18
院長
長谷川
19
長谷川
(矯正)
20
院長

21
院長

22
院長
長岡
23
院長
伊藤
24
院長
長岡
(午前)
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院長

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27
院長

28
院長

29
【休診】

30
院長
木下

舌癌について

 

口腔癌は、すべての癌の1~2%と言われています。その口腔癌で最も多いのが舌癌

舌癌は、口腔癌の60%を占めます。

その次に多いのが、歯肉癌。3番目に多いのが口底癌。4番目が頬粘膜癌です。

 

口腔癌の5年生存率を見ますと下記のようになっています

■上咽頭癌・中咽頭癌・・・・・・・・・・60%
■舌癌・・・・・・・・・・50%以下
■下咽頭癌・・・・・・・・・・40% ※リンパ節転移がなければ80%・転移があれば20~30%
■歯肉癌・・・・・・・・・・上顎:33.3% 下顎:25.7%

 

 

悪性腫瘍の病期分類に用いられる指標の1つに、『TNM分類』というものがあります。

『T』は、原発巣の大きさと進み具合を表し、T1.T2.T3.T4と4段階に分けられます。
『N』は、所属リンパ節の有無・大きさ・転移の範囲を表します。
転移がない場合はN0とし、N3まであります。
『M』は、肺などに転移する遠隔転移の有無を表します。
遠隔転移がない場合は、M0とし、あればM1とします。

上記のことを指標とし、0期・Ⅰ期・Ⅱ期・Ⅲ期・ⅣA期・ⅣB期・ⅣC期というように
分けられます。表記例:T1N0M0

 

初期の舌癌と口内炎の違いの1つに、口内炎は痛みを感じますが、初期の舌癌は痛みを
感じないということがあげられます。

 

舌部分切除術

舌は大きく2つに分けることができます。
舌の付け根部分である『舌根部』。そして『可動部』です。
その境を『有郭乳頭』といい、丸くポツポツしたものがそれです。(※写真参考)

舌癌の手術の場合、癌患部より10mm~15mm外側を安全域と設定し、そこまでを切除します。

 

舌部分切除術後の処置として、下記のものがあります。

☆縫縮 ・・・・・・・・・・縫い縮め

☆タイオーバー ・・・・・・・・・・人工皮膚のようなものを縫い付ける。
■手術直後~3日は、経口摂取禁止
■4日後~7日前後は、飲水やヨーグルト等の軟食開始
■タイオーバー除去後~退院は、トロミ食や三分粥等、状況に応じた食事になります。

☆ネオベール・ボルヒール
切除後、ボルヒールA液を組織に擦り込み、ネオベールという
シートのようなものを貼付し、ボルヒールA液とB液を混ぜた液を スプレーして、時間を置き、完成。
■手術直後~2日は、経口摂取禁止
■状況に応じて、ソフト食や五分粥から開始

 

舌可動部半側切除

舌可動部亜全摘出術

舌可動部全摘出

舌半側切除

舌亜全摘出術

舌全摘出

全摘出になってしまった場合、胸などの筋肉等を移植します。

治療方法は、手術の他に、放射線治療、化学療法、そして現代では新しい治療法として
免疫療法というものも考えられています。

 

口内炎の種類と口腔癌/写真

口腔粘膜疾患とは、舌・頬・歯肉・口蓋などのお口の中の表面のピンク色をした粘膜から発生する病気のことです。お口の中には種々の口腔粘膜疾患が発生します。

口腔粘膜疾患の場合、慢性の経過をたどる場合が多く、病気のことをよく理解し、根気良く、上手に付き合っていくことが大切です。疾患によっては注意は異なりますので個別に医師と生活上の注意などをよくご相談ください。

 口内炎

白くなっている部分を「アフタ」といいます。アフタ性口内炎は、口内粘膜に直径5mm程度の灰白色斑を作り、痛みを伴います。悪化すると出血しますが、通常は1週間程度で自然に完治しますが、直らないこともあり、痛みによって食べることができなくなったり、栄養不足などで長引くこともあります。

 原因は、偏食による鉄分やビタミンの不足・ストレスや睡眠不足・不正咬合(噛み合わせが悪い)や歯ブラシ、口内を噛むなどによる粘膜への物理的刺激・唾液の不足・口腔の乾燥などがあります。

治療は、軟膏・ビタミン剤・レーザー治療の方法があります。

 

ヘルペス性口内炎(単純疱疹)

単純性ヘルペスウィルスによる感染で、一般には無症状の感染ですが、ごく数パーセントの確立でヘルペス性口内炎の症状が出ます。

発熱や倦怠感が認められ、口腔粘膜にはアフタができ、特に歯肉の発赤や腫脹が特徴的です。口腔内が不潔となり、口臭が強くなります。

ヘルペスは、ウィルスであり、水ぶくれのようなものです。この水ぶくれが破れると、直接触れた部分から感染します。

治療は、二次感染予防として抗菌薬の投与を行い、抗ウィルス薬を投与します。清潔を保つために、うがい薬やトローチを使用します。

以前は、子どもが罹る場合が多かったのですが、最近では、データによりますと、大人の方も多く罹るようになってきました。

 

帯状疱疹

痛みが強いものです。口腔内(お口の中)の頬や歯肉にできます。子どもの時に罹った水痘のヘルペスウィルスが神経の付け根に残っていて、体調が悪いと、それが活性化されて発症します。広い範囲に帯状に発赤と小さな水疱(水ぶくれ)ができます。

顔には、三叉神経が通っています。目の下に1本(眼神経)、上顎部分に1本(上顎神経)、下顎部分に1本(下顎神経)あります。そこを支配している知覚・感覚などの神経で、それらに潜伏します。(=潜伏感染 ※潜伏状態自体には問題ありません。)潜伏する場所によって、症状が出る場所も変わってきます。必ず、体の右、又は、左側だけブロック状に発生し、全身に拡がることはありません。

治療は、抗ウィルス薬、消炎鎮痛薬の他にも、二次感染の予防として抗菌薬の投与、局所的には、うがい薬やトローチを使用します。

 

口腔カンジダ症

カンジダ・アルビカンスというカビによって起こる口腔感染症です。口腔粘膜の痛みや味覚障害が起きる場合もあります。原因は、副腎皮質ステロイド薬の投与や糖尿病、免疫力の低下、長期間の抗菌薬の服用などが考えられます。

急性型と慢性型があります。急性型は、白い部分をガーゼなどで拭ってあげると簡単に取ることができます。慢性型は、徐々に皮膚に沈着してきて取れないということもあります。

治療は、口腔内の清掃、抗真菌薬を含むうがい薬や塗り薬、抗真菌薬の内服を使用します。

 

扁平苔癬(へんぺいたいせん)

この病気の原因は、アレルギー・遺伝的素因・自己免疫疾患・ストレスなどとされていますが、正確には不明です。

治療は、うがい薬やステロイド薬や抗菌薬を含む軟膏を使用します。歯科用金属によるアレルギーが疑われる場合には、その原因と思われる詰め物・被せ物を除去する必要があります。

アレルギーですので、100%完治するという訳ではなく、上手に付き合っていくという形になります。稀ではありますが、癌化する場合もあります。

 

 

白板症

口腔粘膜、特に頬や舌、歯肉にみられる白い角化性の病変で、特に舌にできたものは悪性化する可能性が高いため前がん病変の代表的なものとされています。

原因は、喫煙やアルコール、義歯による刺激、ビタミンAやBの不足、更に体質なども関係するといわれていますが、実際は、確かな原因は分かっていません。

治療は、ビタミンA投与、禁煙です。シコリを伴うものは、初期がんが疑われるため、必ず組織を採って検査する必要があります。白い部分が厚いもの・隆起したもの、潰瘍を伴うものは悪性化(がん化)する可能性が高いので、切除します。長年かかって悪性化する場合もあり、長期にわたる経過観察することが必要です。

少しでも気になったら、早く病院へ行ってください。

 

口腔癌

原因は、他の癌と同様に不明ですが、喫煙・飲酒・むし歯や、合っていない義歯などが、慢性的に粘膜を刺激することなどの関与が疑われる症例も少なくありません。前癌病変である白板症から生じたと思われるものもあります

発生する部位や癌の進行度により、症状は様々です。見た目に汚く、しこりがあり、出血や痛みを伴います。病期が進むにつれて咀嚼や嚥下、発音に障害が出る他に、口が開けづらくなったりします。又、リンパ流に沿って顎のリンパ節に転移し、リンパ節が腫れたりします。更に進行すると、肺・骨・肝臓など他の臓器に転移し、全身的な症状を起こすようになります。

治療は、一般的に、手術療法・放射線療法・抗がん剤による化学療法の3つの方法を、単独、あるいは組み合わせて治療します。口腔癌の全体の5年間生存率は60~70%です。初期のものでは、ほとんどの症例は治癒しますので、恐れずに、出来るだけ早期に受診することが大切です。