「歯肉が痩せる」 そんな話を聞いたことがありませんか?
又、そのようなことで お悩みではありませんか?
原因は様々です。
- 歯周病(歯槽膿漏)によるもの
- 過労、栄養不良、糖尿病等の全身疾患
- 過度のストレス・噛み合わせが悪い
食いしばり/歯ぎしり・・・過度な咬合力により歯槽骨が少なくなり、歯がグラグラ動くようになると、通常の噛む力でも歯肉は下がってしまいます。噛み合わせが悪いと、過度な力がその歯に集中してしまいます。 - 歯磨き時の歯ブラシ圧が強すぎる。強く磨きすぎて付着歯肉(歯肉の1番上の部分で歯にくっついている白っぽく見える歯肉)が削られてしまうことがあります。その付着歯肉が削られてしまうと、可動粘膜(頬の粘膜)がずれて入り込み、きちんとした歯磨きが困難になり、弱く磨くように気をつけるようにしても下がり続けてしまうことがあります。
- 生まれつき歯肉が薄い人、歯槽骨(歯を支えている骨)が薄い人は上記の少しの原因でも歯肉が下がりやすい場合があります。
- 老化
これ等の予防策・対策は、 歯周病の原因の1つと言われる磨き残しをしないように、 歯ブラシ圧が強くならないように気をつけ、 歯肉の境目付近を特に丁寧にマッサージするように小刻みに動かし シッカリと磨くことが大切です。
その際は、研磨剤無配合の歯磨き粉をご使用ください。
(歯磨き粉はご使用にならなくても大丈夫です。)
そして、歯周病や噛み合わせを治療することです。
「歯肉が痩せる」ということは 、「骨が痩せている」ということに関係しています。
では、この歯肉退縮は自然に治っていくのでしょうか?
ブラッシングが原因の場合(オーバーブラッシング)は、それを改善することで ある程度は元に戻ることはあります。
しかし、歯肉が退縮しているということは、既に、骨がなくなっているということなので 残念ながら、生物学的に考えても、難しいことと言えます。
自然治癒は難しいと言えますが、 なくなった歯肉を近所から調達してくる「根面被服術」という方法があります。
この根面被服術には以下の方法があります。
- 根尖側に残っている歯肉を引っ張り上げる 「歯肉弁歯冠側移動術」
- 横に残っている歯肉を移動する 「歯肉弁側方移動術」
- 遠い場所から移動してくる 「遊離歯肉移動術」「結合組織移動術」
- 「GTR法」とも呼ばれる 「組織誘導再生法」
患者様ご本人が、これ以上歯肉退縮を進めないようにできることは、やはり 正しい歯磨きではないでしょうか。 歯肉退縮して露出してしまった根面は、エナメル質よりもいっそう酸に溶けやすくなっています。
しかも、エナメル質のようにツルツルしていないので、プラーク(歯垢)が付着しやすく 取れにくくなっています。
それでなくても、根面はくぼみが深くなっていて、磨きにくく、プラーク(歯垢)がたまりやすく 歯が溶けやすい部分ですから、う蝕には特に注意が必要です。
これに対抗できる予防策のお話をしましょう。
まず、根面を強くする方法です。これには、フッ化物の使用をお勧めします。
歯科医院で行うフッ化物の塗布や、 市販もされているフッ化物入りの歯磨き粉の使用などが、それです。 この時、洗口後 いかにフッ化物を長時間保持するかが目標となります。 フッ化物濃度の高いものを選んだり、1日2回以上の使用と、 就寝前は必ず使用すること、十分な量を使用し、 フッ化物使用後はできるだけ洗口を避け、飲食は控えることが必要です。
そして、虫歯菌を根面に残さず、虫歯菌に餌を与えないようにし、 間食を控え、飲食回数を減らす努力をします。
(※ 通常の三食はきちんと食べて下さい。)
よく噛むなどをし、唾液の量を増やす努力をすることも大切なことと言えます。
唾液は、数少ない とても強い味方と言えることを忘れないで下さい。