歯みがきの方法は幾つかありますが、ここでは3つの方法についてお話します。
写真上は、『スクラビング法』といいます。
歯ブラシは歯に対し90度の角度で、ブラシの毛先を歯と歯肉の境に当てて
小刻みに(1.0~1.5cm)横に動かします。
大きく動かしてしまうと歯肉へのダメージが大きくなってしまうので要注意です!
裏側は、次にご説明する『バス法』を使います。
このみがき方は、歯と歯肉の境や歯間にもブラシの毛先が入るので
プラーク(歯垢)除去に効果はありますが、歯周ポケットには効果は期待できません。
写真上のものは『バス法』といいます。
歯ブラシは歯に対し45度の角度で、ブラシの毛先を歯と歯肉の境に当てて、力を入れずに、小さな範囲で(5mmくらいずつ)動かします。
このみがき方の場合は、歯ブラシのヘッドが小さく、できるだけ毛先が細く軟らかいものを使うと良いでしょう。
このみがき方は、歯と歯肉の境にあるプラーク除去には効果がありますが、歯間にあるプラーク除去の効果は期待できません。よって、プラウトや歯間ブラシ等の他の方法の利用が必要になります。
そして、こちらが円を描くように上下の歯をみがく『フォーンズ法』です。
上の歯と下の歯の先を当てて合わせた部分の歯に、スクラビング法と同様に90度の角度で当てます。これを、クルクル円を描くように回しながらみがきます。
乳歯のある幼児や、生え変わり時期の子ども、お年寄りの方に向いている方法だといわれています。
このみがき方は、歯の表面の汚れは落ちますが、歯間にあるプラーク除去の効果は期待できません。プラウトや歯間ブラシ等の使用が望ましいといえます。
プラークとは、ご存知のとおり、歯垢のことを言います。
ただの食べカスのように思われがちですが、プラークは『生きた細菌の塊』です。この細菌の塊がむし歯や歯周病の原因になる訳です。
このプラークが付着しやすい場所は・・・
・歯と歯の間(=歯間)
・歯と歯肉の間
・咬み合せの部分 ・・・・・・です。
治療したことがない歯というのは、なかなか病気にならないものですが、一度でも治療した歯は再び病気になりやすいと言えます。
歯みがきの基本は、歯と歯の間・歯と歯肉の境にきちんと歯ブラシの毛先を当て、
ペンを持つようにして150~200gの力で、力を入れずに小刻みに磨くことです。
力を入れてもプラークは取ることはできませんし、逆に歯肉を傷つけ歯周病の原因を作ってしまいます。
歯ブラシの選び方は・・・
・毛に弾力性がある
・柄は真っ直ぐで首が細い
・ヘッドが小さい(大人でも子ども用を使っても良い)
・毛が硬すぎない
・・・・・・ということが注意点と言えます。
歯ブラシだけではなく、ワンタック(プラウト:写真左)やeフロス、
歯間ブラシ等も使って、歯間のプラークも取り除くようにしましょう。
又、入歯等、義歯がある方もきちんとお手入れをしないと普通の歯のようにプラークが付着してしまうことを忘れてはいけません。
これを『デンチャープラーク』といいます。
(※プラスチック製のものは、吸収性があり、傷もつき易いので、細菌も付着しやすいことが知られています。)
さし歯では歯肉との境で炎症が起きやすくなり、
ブリッジでは残っている(支えになっている)歯やダミーの歯の下の部分が掃除しにくく、不衛生になり、歯肉の炎症やむし歯の原因になってしまいます。これを防ぐために、スーパーフロス(写真上)や歯間ブラシでのお手入れをして頂きたいと思います。
入歯の場合には、クラスプなど維持装置を取外し、ブラッシングしましょう。
取り外したクラスプやバネ等は、普通の歯のお手入れと同じように小さな歯ブラシや歯間ブラシを使って、力を入れずに、丁寧にみがきましょう。
(※力を入れてみがくと、変形したり、前に述べたように、傷が付いて細菌が付着しやすくなります。)
入歯洗浄剤のご使用もお勧めします。
歯科医院での定期的なメンテナンス(検査・PMTC・スケーリング・歯みがき指導など)もして頂いて、
予防・早期発見・早期治療にお役立て頂きたいと思います。