根の治療は、どんなこと?
なぜ根の治療をするの?
根管治療をすれば本当に良くなるの?
そのような疑問を建築に例えてお話してみましょう。
家を建てるということは、簡単にお話しますと・・・
突然、ポンと家が建つのではなく、最初に基礎の工事を行い、地盤を固めて、柱を立てて、屋根をつけるという段階を経ていくものです。
1.お客様の意向を聞く・設計図をひく・・・・⇒ カウンセリング・検査・治療計画
2.家を建てる地盤の調査・整理・・・・⇒ 歯周病治療・虫歯治療など。お口の中を整える
3.家の中(柱)の修理・・・・⇒ 歯の根の治療(歯の中を直す)
腐った柱の汚い部分を綺麗に取り除いている。柱が綺麗になったら屋根を付けます。
柱が腐ってしまう原因は、ばい菌です。
根の治療というのは見えない敵を相手にしなければならないことになります。
では、どうやって目に見えない敵と戦うのでしょうか?
大きく分けて、『機械的な方法』と『科学的な方法』の2つがあります。
これは、どちらか1つ行えば良いものではなく、2つの方法が必要になります。
機械的・・・針のようなものでクリクリカリカリと腐った歯を削り、取り除きます。
科学的・・・薬で綺麗に殺菌する。
4.屋根・・・⇒ 差し歯など
■なぜ、根管治療は治療回数が多く必要とされるのでしょうか?
見えない敵を相手にしているので、容易ではありません。又、歯の根の中というものは非常に複雑な形をしています。歯の根には神経が通っています。その神経には、太いものもあれば、細いものもあります。それぞれがつながっていて連絡を取り合っています。
神経を道に例えると以下のようになります。
太い神経・・・・⇒ 国道・バイパス ・・・・・器具を使う『機械的な治療』
細い神経・・・・⇒ 市道・私道など ・・・・・薬を使う『科学的な治療』
ばい菌は、いろいろな道沿いに住んでおり、『それらを全て綺麗にしなければならない』ということで、『難しい治療』となる訳です。そのばい菌をやっつけるためには、道の区画整理・拡張・清掃が必要となります。
参考:『歯科一般』 (歯周病・虫歯のお話)
●全てのばい菌を殺すことなく、治療を進めてしまった場合、何年後かに『柱』が腐ってしまい、どんなに素敵な『屋根』があったとしても、住めるような『家』ではなくなってしまいます。
= 治療したにも関わらず、痛んだり、腫れてしまう。(根の病気)
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その場合、『屋根』をすべて外し、再度、『柱』の修理から行わなければいけません。『柱』の修理をした後、新しい屋根を取り付けることになります。
根の治療を行う際には、慎重に治療を進めるために、通院回数が必要になります。
■ 神経を取り除いた直後に痛みがあるのは何故?
太い神経がなくても、細い神経が残っていた場合には痛む可能性があります。お薬の刺激が強すぎる可能性もあります。又、他にも、神経ではなく、根の先の組織が刺激されて痛んでいる可能性や、根の先の組織を器具によって傷がついてしまった可能性もあります。他にもいろいろな可能性があると思われます。